ホーム > くらし > ごみ・リサイクル・環境 > リサイクル > 菜の花エコプロジェクト
ここから本文です。
更新日:2020年3月26日
菜の花エコプロジェクト~資源循環型社会の構築を目指して・・・
衛生自治会員(住民)の立会い活動による共同分別収集。
廃食油専用容器(左側)を全戸に配布し、共同収集日に回収容器(右側)にて回収。
従来,一般廃棄物の処理は,大崎町・志布志市(旧有明町・旧志布志町)の1市1町で構成された曽於南部厚生事務組合の管理型処分場で埋め立て処分を行ってきました。
しかしながら処分場の残余年数があと数年で満杯とひっ迫した状態であったことから,平成10年9月から缶・ビン・ペットボトルの分別収集と指定袋の導入を実施しました。
その後段階的に分別対象品目を拡大し,平成25年4月現在では27品目の分別収集を行っています。
一方,徹底した分別収集への取り組みには,実践団体である各衛生自治会組織の地道な活動が重要な役割を果たしています。
町内約150ヶ所の収集場ごとに地域のリーダーである環境衛生協力員(≒単位衛生自治会長)を配置し,排出者である家庭に言葉や理念のみでなく,協力員の実践活動で信頼関係を築き,その役割を果たしています。
分別収集開始当初は,役場職員がすべての収集場に配置され,ボランティアで環境衛生協力員の補助を行いました。
また,廃棄物の「処理」から「利用」への転換を図るうえで,重要な位置を占めているのが行政の委託企業である「そおリサイクルセンター」です。
大崎町に建設されたこの民間施設は,曽於地区2市1町(曽於市・志布志市・大崎町、人口約10万人)からの委託を受け資源ごみ回収と中間処理および保管業務を行っています。また,隣接して「(株)山崎紙源センター」が建設され,現在の27品目の分別収集が可能になりました。
そおリサイクルセンターがエルフA-2型の200リッタータイプを保有。
廃食油燃料をゴミの回収車等にも使用。回収量の増加に向けて菜の花エコプロジェクトの真価が問われます。
大崎町は下水道,浄化槽の普及率が低く,家庭から排出する「天ぷら油」が河川水質汚濁の一因であることから,各家庭に廃食油専用容器の配布を行い,平成12年4月から「そおリサイクルセンター」に委託し,「廃食油」の回収も行っています。そして,同センターでは平成12年7月に廃食油燃料化プラントを購入し,廃食油からディーゼルエンジンの軽油代替燃料(BDF)精製を試み,現在プラントで精製された燃料は,同センターのゴミ収集車等5台の燃料として利用されています。
しかし廃食油の回収量が月平均600kgと予想より少なく,衛生自治会でも頭を悩めていました。そしてみんなで知恵を絞りあった結果,たどり着いたのは菜の花の栽培でありました。
本町には「大崎小唄」という唄があり,その一節に♪春はネ 春は大崎 菜の花ざかり♪の詞があります。この詞のように,かつての大崎町は,菜の花で見渡す限り黄色い絨毯に見えたそうです。
衛生自治会と町では,菜の花畑を復活させ,食用油として特産品開発,使用後の菜種油は回収して軽油代替燃料(BDF)とし,さらに観光資源としても活用する「菜の花エコプロジェクト」を平成13年度から始め,衛生自治会員の畑約7haに植え付けました。肥料も生ゴミリサイクル堆肥「おかえり環ちゃん」などの有機肥料を使用しています。
リサイクルセンターの有機工場
ナタネの種まき光景
有機工場で製造された生ごみ堆肥を投入
汎用コンバインによる収穫
ナタネに川砂を混ぜて散布機に投入
収穫したナタネ
ある朝,衛生自治会員の一人が久しぶりに自分の家の菜の花畑を期待半分,不安半分で見に行ったそうです。しかし,畑一面に咲きほこった菜の花畑とそれに群がる蜂の集団を見て「やったね なったね」とつい口からでたと言う話しを私達にうれしそうに話をしてくれました。それを聞いた私達は「これは使える」と思い,これをそのまま使おうと決めました。仲間の間でも思った以上に好評だったので「ヤッタネ!菜ッタネ!」誕生となった訳です。
自分達の身近な畑で,農薬や化学肥料を使わない安全で安心な菜種油を一人でも多くの人に味わってもらいたい。そして,その出来上がったものにはみんなが親しみやすい名前がないものかと考えていた私達はピッタリの名前が見つかり安堵感でいっぱいです。
菜の花エコプロジェクトの取り組みにおける初年度の成果は,植え付けをした7ha分の菜種油を900ml入りのビンで約2000本搾ることができました。その後,衛生自治会員へ注文をとり,道の駅「くにの松原おおさき」では町の特産品として販売をしました。会員からの注文が予定を大幅に超し1600本あまりの注文になりました。搾った菜種油全てが完売したのは皆さんの食に対する意識が高いという証でもあります。また国内で消費されている菜種油のうち、国内産は1%にも満たないわずか0.04%であり,しかも鹿児島県産はさらにそのうち2割程度しかないそうです。この希少価値も人気の秘密なのかもしれません。
平成15年度からは学校給食や福祉給食,保育所などでの活用を始めており,このプロジェクトがスタートした平成13年度に7haだった菜の花畑は、少しずつ耕作者も増えています。
平成13年度から始まった生ゴミの分別収集も,市街地を始めに順次収集対象世帯を広げ,平成16年度までには町内全域で生ごみを回収し、リサイクル堆肥として有効利用しています。
河川や海・そして人体にも悪影響を及ぼすと言われる合成洗剤は合成界面活性剤や蛍光増白剤が使われています。
大崎町では家庭で使用した天ぷら油を廃食油として回収し,ごみ収集車の燃料として利用するだけでなく回収した廃食油で石けんを作り自然や人体にやさしい石けんを販売することにしました。平成15年度は,まず衛生自治会員の全世帯に固形タイプの石けんを配布いたしました。美しい地球を次の世代に残すために『菜の花エコ石けん「そおプ」』を準備し、道の駅「くにの松原おおさき」と役場窓口で販売していますので是非一度お試しください。
そおリサイクルセンターの有機工場では菜の花エコプロジェクトの一環として,町内の家庭や事業所から出された生ごみを1・学校などから出された草木剪定くずを4の割合で混ぜ合わせ,約4ヶ月半かけて完全完熟の堆肥を製造しています。この出来上がった堆肥は草木の菌を利用しただけの堆肥で菜種畑はもとより無農薬無化学肥料の野菜作りにも利用しています。また,野菜畑は化学肥料や農薬は一切使用していませんので安心安全な野菜です。新鮮な野菜を『あすぱる大崎』の物産館にて販売していますので是非一度ご賞味ください。
『おかえり環ちゃん』は「そおリサイクルセンター大崎有機工場」に集められた町内の家庭及び事業所から出される生ごみを約4ケ月半かけて製造された、完全完熟の堆肥のことです。「そおリサイクルセンター」の農場や、菜の花畑に利用したりしていますが、一般家庭へも販売しています。『おかえり環ちゃん』という名前の由来は家庭から出された生ごみが堆肥に変わり、畑で使い、畑で採れた野菜を人間が食べる。これがまさしく循環のしくみであることから循環の『環』の字をとってつけられた名前です。成分表も表示してありますので、家庭菜園などで利用されたい方は15Kg(300円)と5Kg(100円)の2通りを用意していますので是非ご購入ください。
大崎町一の菜の花畑。ピーク時は蜂が群がり,ほのかな香りが一円に広がりました。
現在,そおリサイクルセンター大崎有機工場で製造している堆肥『おかえり環ちゃん』は4ヶ月以上草木の菌を利用しただけの有機質な堆肥ですが、回収された生ごみと草木は堆肥となった4ヶ月半後には約10分の1の量となってしまいます。貴重な資源を有効に利用するために平成17年度は堆肥の製造過程で発生するメタンガスの利用策はないかと考えているところです。「環境にやさしい資源循環型のまちづくり」を目指して今後も積極的に取り組んで行きたいと思います。
地元大崎町産100パーセントの菜種油「ヤッタネ!菜ッタネ!」を積極的に学校給食に使用して,食育を推進しています。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
大崎町の適格請求書(インボイス)発行事業者登録番号は以下の通りです。:
[一般会計]T9000020464686 [水道事業]T4800020000390 [公共下水道事業]T1800020006556