道路に張り出している樹木等の伐採・枝払いのお願い

　私有地から車道や歩道上に樹木や竹等が張り出すと，道路を通行する車両や歩行者の妨げとなることがあります。

　これらが原因で事故などが発生した場合には，被害者から土地の所有者へ管理責任を問われる場合がありますので，沿道の土地所有者の皆様は適切な管理をお願いします。

　なお，道路の建築限界を侵すなど通行への危険等が迫った場合には，やむを得ず道路管理者において伐採し，通行の安全確保を行う場合もありますので，ご理解をお願いします。

【道路の建築限界】

　道路法第30条及び道路構造令第12条では，道路を通行する車両や歩行者の安全を確保するため，車道の上空4.5メートル，歩道の上空2.5メートルの範囲に通行の障害となるようなものを置いてはならないと規定されています。

　「建築限界」の範囲内（下図参照）に樹木等が張り出した場合は，所有者での伐採や枝払いを行ってください。

〈伐採時等の注意事項〉

• 作業にあたっては，道路を通行する車両や歩行者の安全確保や高所からの転落防止に十分ご注意ください。
• 電線や電話線がある場所での作業は危険が伴いますので事前に九州電力やNTTに連絡してください。

【民法第233条が改正されました】

　これまでの民法では，隣地から越境した竹木の枝を越境されている土地の所有者が自分で切除することは認められておらず，その所有者に切ってもらうか，所有者に対して切除を求める訴えを起こす必要がありました。

　令和5年4月1日から施行された民法第233条では，原則は従来どおり竹木の所有者に切除を求めるべきとしながらも，催告しても越境した枝が切除されない場合や，所有者が不明な場合などにおいては越境されている土地の所有者が切除することが可能とする内容に変わりました。

　※町では，隣地からの竹木等の越境については民事の問題となり判断しかねますので，仲介（仲裁）や町で伐採等を行ったりすることはできませんので，事前に弁護士等へご相談ください。

参考（関係法令）

●民法第717条（土地の工作物等の占有者及び所有者の責任）

1. 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは，その工作物の占有者は，被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし，占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは，所有者がその損害を賠償しなければならない。
2. 前項の規定は，竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3. 前2項の場合において，損害の原因について他にその責任を負う者があるときは，占有者又は所有者は，その者に対して求償権を行使することができる。

●民法第233条（竹木の枝の切除及び根の切取り）〈令和5年4月1日改正〉

1. 土地の所有者は，隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは，その竹木の所有者にその枝を切除させることができる。
2. 前項の場合において，竹木が数人の共有に属するときは，各共有者は，その枝を切り取ることができる。
3. 第1項の場合において，次に掲げるときは，土地の所有者は，その枝を切り取ることができる。

　　4. 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは，その根を切り取ることができる。

●道路法第43条（道路に関する禁止行為）

1. 何人も道路に関し，左に掲げる行為をしてはならない。

　　　一　みだりに道路を損傷し，又は汚損すること。